ゼロアカ第五次関門通過のお知らせパート3

俺は喫煙所に立っていた。90分も我慢した後での煙草は美味い。村上がやってきた。お互い微妙に疲れた感じである。俺は彼に伝えた、「もうぶっちゃけるけどさ、俺は自分とお前とやずやさんで通りたいわ」。彼は答えた、「奇遇じゃないか」。

正直俺は焦っていた。自分の口頭諮問を冷静に思い出したらかなりヤバイような気になってきたのだ。質問の数が一番多かったのは俺だ、だから大丈夫だと、かなりムリクリに言い聞かせていた。
やはり死亡フラグは立っていた。
東浩紀枠、村上裕一」
やっべー、マジやっべー。え、じゃあなに狙おう? 読者枠はヤバいよな、俺のプレゼンって一般受けしなそうだし友達も少ないし…… じゃあ審査員か、や、きっと筒井さんは俺だけど村上さんはやずやさんだよな、え、じゃあ太田さん次第?
とかそんなこと考えてるうちに審査員枠発表。廣田周作。

俺は拍手することができなかった。ひたすら耳を傾け、東さんのマイクから読者枠発表で「さ」の音が飛んでくるのを待っていた。しかし聞こえてきたのは「ひ」の音。終わったと思った、涙目であるマジに。あれ、でもやずやさんは二つ被ってるわけで……あれこの場合どうなるんだっけ? 俺は事前に説明されていたルールをすっかり忘れていた。
「……なので東浩紀枠の第二位が通過となります。そして僕の二位は……坂上くん」
俺は立ち上がり、壁に手をついて3回くらい深呼吸した。オーバーリアクションではない。そうしなければいけないほど心臓が水を得た魚状態だったのだ。そうして壇上に向かう。マジでなんの台詞も考えてなかったので、とりあえず思いつきの言葉を喋る。会場からの拍手、ああ、残ったんだなと、実感した。

そんなこんなで一応勝ち残った俺だが、全く満足していないことも事実である。何故なら、俺は村上裕一には二度連続で負けているのだ。まず文学フリマ、俺と村上は共にFate/stay nightについての批評を書いたのだが、講評で東さんと太田さんが誉めていたのは村上のものだけだった、そして今回東枠においても敗れた。流石に悔しいのである。ゼロアカナイトの同人誌でも、みんながネタに走る中、俺はライバルのところにはっきりと村上裕一の名を挙げていた。それぐらい意識していたわけである。俺と村上はかなりかぶっている。エロゲ、やる夫、純文学。それらにおいて好みが異様なまでに一致するのだ。意識するなという方が無理だ。
第六次関門ではこの村上に加え、センスにおいて明らかに俺のようなキモオタとは一線を画するやずやさんとも戦うことになる。強敵スグル。バーサーカーとアーチャーが同時に襲い掛かってくる気分である。果たして俺は神速の剣を携えたセイバーになれるのか、はたまたハサンとして惨めに散っていくのか!? 答えは第六次関門で!!

というわけで、ご来場していただけた(ニコニコ含む)皆様、本当にありがとうございました。加えて、様々な局面で場を盛り上げてくれた藤田直哉氏(マジ意味内けどあなたが坂上秋成特別賞だよホント)、道場主の東さん、審査を行ってくれた太田さん、筒井さん、村上さんにもこの場でお礼を申し上げたいと思います。

次も頑張るんで応援よろしくお願いします。
それでは。